‘ With fragrance ’
数年前、付き合いのあるうつわ屋から台湾茶・中国茶の茶器を
作ってみないかと誘われた。
決まりさえ守ってくれたら意匠は自由に作ってよいから、との事だったので、
自分なりに解釈したり、ダメだしされたりしながらも制作は続き、
近年では台湾や中国でも発表の場を得る事ができている。
これは僕に限った事ではなくて、かなりの日本人作家が
大陸でうけている。
日本人作家は本当にアレンジが巧い。
自動車や家電なんかでも同じなんだろうけど。
今春ロンドンパリに行った際に、香りの文化を肌で感じた。
都心には香りを扱う専門店が多くあり、香りは洗練され、
ディスプレイや容器も凝っていた。
そして多様な芳香浴があることに驚いた。
この周辺の道具、作ってみたいし、あいつが作ったらきっと
もっと良い、そう思い立ち、今展のきっかけとなった。
異素材の作家4人が、セラミックポプリを入れるポット、
リードデュフューザー、アロマキャンドル、香りを愉しむ類いの食器や什器を
制作する。
香りを制作する作家も探し、和泉侃さんと出会うことができた。
和泉さんは香りを多角的に取り込み、様々な表現をしている。
今回は作家をイメージした香りをそれぞれ作ってもらった。
皆が初めての試み、どういう風になっているか、
是非ご高覧ください。
座辺身辺 片瀬和宏